2013年08月01日

2013年8月

暑〜い〜っ…。 毎日たまらん暑さです。熱中症になっては大変と、
節電という言葉は無視してクーラーガンガンの日々を送っております。
さて、まずはお詫びを言わなければ…。
前回書いたエッセイに間違いがありました。「孤高のグルメ」ではなく
「孤独のグルメ」でございました、ごめんなさい。


さてさて、この暑さ真っ盛りのド最中に、私は「教員免許状更新講習会」
なるものに参加しています。午前に講義3時間受けて30分のテスト、
午後も3時間の講義に30分のテストというハードなもの。これが5日間続く
のであります。

この制度はもともと、指導力不足の先生をあぶり出すのを目的として
導入されたものの、誰がどんな視点で先生に×をつけるのかがむつかしく、
結局 「教員の必要な資質能力を保持し、専門性を高める」という目的で、
10年ごとに3万円払って講習とテストを受けて免許を更新するというものです。
これを受けなければ教員免許がなくなってしまうので、しがない1年契約の
講師である私もただ今受けている訳です。

この制度、賛否両論あり、いつまで続くのか、そのうちなくなるやろうと
いうのが大方の予想です。
私も受ける前は、「なんで英語の免許を更新するのに訳のわからん科目を
受けなあかんねん!? (選択で自分の免許の教科科目を選べるが、希望者が
多いと第2第3希望科目に回される。)変な制度や!!」 とプリプリ怒ってた
のですが、いざ受けてみたらこれがなかなかおもしかった!!
(中には「つまらん、眠ぅ〜てたまらん」ていうのもありましたが)。
特に理科の講習には感動すら覚えたのです!!
その話を今月はぜひ紹介したいと思います。

私が理科を選択したのは、「学校では理科も教えなあかん。でも専門的知識も
ないし、楽しい理科の授業作りのノウハウを知りたい」という軽〜い気持ち
だったのですが、理科の講習教室に入ってみると、受けているのは20人強の
「いかにも理系」て感じの人たちばかり。みんな小中高の理科の先生たちで
すよ。その中で私一人が特別支援学校(養護学校)で、しかも英語の免許。
プロの中のアマチュア状態、20人の先生の中に放り込まれた生徒の気分、
完全に「選択間違えた」と思いました…。

どんな先生がどんな難しい講義をされるんやろ、と不安に思ってると、
教室に入ってきたのは赤いデッキシューズをはいた若い30代の男の先生。
見かけとは違い、大学、研究機関、いろんなところに足を突っ込んでる
日本中の理系のトップにいるバリバリ賢い人。あのips細胞の山中伸也教授と
同じ研究機関におられるそうな…。
「ああ、私の免許、もう終わった」とガックリきました…。

ところが!!
この先生の授業のおもしろいこと!
「科学の知識」ではなく「科学の考え方」を教えてくれたのです。
「観察」し、「仮説」を立て、「実験」し、その結果から「考察」する。
これこそが理科には大切、そして理科のおもしろさなのだ気づかせてくれた。
まずは見せてもらったのが、「考えるカラス」というNHKの番組。ネットで
アップしてるので皆さんもぜひ見てほしい。先生はこの番組に関わって
作っておられるのだとか。
観察→仮説→実験→考察、という流れを映像や漫画ですごく楽しく作っている。
大人が見ても絶対楽しい。
授業では、第2回の番組でやってた実験を実際にみんなでやってみました。
まずは先生が、お盆と風船を用意し、
「さてどっちが先に落ちるのか、それとも同時に落ちるのか考えて下さい」
と私たちに投げかけます。
実際にやってみる。お盆が先に落ちた。
「なぜか考えてみて下さい」。
理科の先生たちだから答はすぐわかる。
「お盆の方が空気抵抗が大きいから」。
「では、お盆の上に風船を乗せて落とすと風船とお盆はどう落ちる?
考えてみよう」。

これ、実際に先生が小学校への出張授業でやってるらしい。
みんなでいろいろ仮説を立ててみてから実際に実験してみると、
風船はお盆と一緒に落ちました。
「なぜそうなるのか、空気の流れはどうなっているからなのか、
仮説を立てて下さい」。みんなでいろんな仮説を立てました。
授業では仮説を発表しあったあとに先生は答を教えてくれましたが、
番組の「考えるカラス」では、一緒に落ちるという実験を
スローモーションで見せてくれ 「なぜ一緒に落ちるのでしょう」
と問いかけ、番組の最後に
「さて、答です。風船をお盆に乗せずにそのまま落とすとゆっくり
落ちます。お盆は風船よりも」と言ったところでシャッターが
降りるように映像が切れ、「ここから先は自分で考えよう。こ
れからはみんなが、考えるカラス。」とアナウンスが入り、
番組は終わってしまうのです。

そう、この番組は答を教えてくれない。
番組は毎回こんな感じで答を言いかけた途中で切れ、
教えてくれないのです。
見てる方は答を知りたくてイライラする。
あれこれ考えたり調べたりしてしまう。これが番組の狙い。

先生はこう言われました。
「答を教えてという声は多い。でも、答を教えてしまうと、
その段階で日本中が考えることをやめてしまう。だからNHKは
絶対教えない」のだそうです。
これってすごい発想だと思いませんか!?
私はこの言葉に、そして子どもたちに考える力をつけさせようとする
姿勢に感動してしまいました。 この先生すごい!!
この番組すごい!!

家に帰って、今まで放送された「考えるカラス」を一気に見ました。
私は理科の先生じゃないから毎回毎回答がわからん。 わからんけど
知りたくてたまらん!
必死で調べまくって仮説を立てたけど、合ってるのかどうか知りたいよぉ〜!!
答が気になって他のことが手につかない。
この番組、頭にはいいけど身体に悪い、ストレスだぁ〜っ!!

てな訳で、私を理科に夢中にさせてしまうほど素晴らしい免許更新講習。
この先生の講義ならお金払っても何度も受けたいよっ!!


子どもたちにもそんなふうに思ってもらえるような、そんな授業を私もしたい、
とわが身を振り返り、気持ちを新たに決意した私なのでありました。

posted by 安楽満 帆志 at 00:00| Comment(0) | エッセイ